アガリクスのβ(ベータ)-グルカンについて
アガリクスのβ(ベータ)-グルカンについて
2017年4月10日
執筆:元井章智
アガリクスには、ビタミン、ミネラルなど多くの栄養要素を含まれていますが、中でも主成分とされるのがβ(ベータ)-グルカンと言われる成分です。
このコラムではβ(ベータ)-グルカンについて詳しくご説明いたします。
アガリクスの主成分β-グルカンとは?
β-グルカンの説明をする前にまず、初めにご確認。。。
↓
アガリクスを含むキノコ類は真菌類に分類されます。
真菌類に分類されるキノコ
シイタケ、マイタケ、シメジなどの食用キノコは、スーパーなどでは野菜売り場に置かれているのでキノコ=野菜の仲間と思われがちですが、実はキノコはパン酵母やカビなどと同じ真菌類に属します。
キノコはカビや酵母と同じ真菌類に分類されます
(左はアガリクスの菌糸体、右はクロカビの顕微鏡画像)
真菌類の細胞壁に含まれるβ-グルカン
このキノコやカビなど真菌類の細胞壁に含まれる食物繊維の一種がβ(ベータ)-グルカンで、体の中では敵=異物として認識されています。
以下、簡単にアガリクスのβ-グルカンを飲むとどうなるかをイラストにしました。
1)アガリクスのβ-グルカンを食事やサプリメントとして摂ります。
2)β-グルカンが消化されずにお腹の中まで入ってきます。
3)体は、アガリクスのβ-グルカンを外敵となるカビを食べてしまったと勘違い
(実際にはβ-グルカンは無害ですが)
4)お腹の中のパイエル板というところが刺激されて、様々な反応がおきます
つまり、β-グルカンは、栄養成分としてお腹(腸)から吸収されるのではなく、お腹(腸)で敵=異物として認識されて、刺激を与えることで様々な反応を起こすといったユニークな特徴があります。
β-グルカンの種類
β-グルカンはキノコ類に多く含まれますが、キノコによって形や特性が違ってきます。
(例:アガリクスとハナビラタケのβ-グルカンの形の違い 東京薬科大学免疫学教室の研究結果より)
*時々、「このキノコはアガリクスよりもβ-グルカンを●倍」といったPRを目にしますが、キノコの種類が違えば、β-グルカンの形や特性も違ってくるため、他の種類のキノコとβ-グルカン量を比較することは、少しナンセンスだと思われます。
アガリクスのβ-グルカン
アガリクスにはβ1-6グルカンに少量のβ1-3グルカンが合体したものが豊富に含まれています。
アガリクスの栽培方法によって、主要成分であるβ-グルカンの含有量は大きく異なり、自然露地栽培したキングアガリクスは、一般的な栽培方法であるハウス栽培に比べて、約1.5倍β-グルカンを多く含みます。(β-グルカンの種類は変わりません)
自然露地栽培したアガリクスはハウス栽培アガリクスに比べてβ-グルカンを約1.5倍多く含みます。
アガリクスのβ-グルカンの研究成果
アガリクスに含まれるβ-グルカンの主役と考えられており、世界的にも1-3グルカンに関する研究が進んでいました。
世界的に注目を浴びる1-3グルカン
近年では、東京薬科大学免疫学教室と私たち東栄新薬株式会社との共同研究によって、今まで注目されてこなかった1-6グルカンにも何らかの役割があることが発見され、1-6グルカンにもスポットライトが当たるようになってきました。
(2017年日本薬学会第137年会で共同学会発表)
β-グルカンの分子量について
著しく作用が減弱するβ-グルカンを低分子化した製品
このコラムの冒頭でご紹介しましたが、アガリクスのβ-グルカンは、栄養成分としてお腹(腸)から吸収されるのではなく、お腹(腸)で敵=異物として認識され、パイエル板といわれる場所を刺激することで様々な反応を起こすといったユニークな特徴があります。
そして、β-グルカンの分子量は大きいままの方が、お腹で敵=異物として認識されやすい。β-グルカンを人工的な加工によって低分子化するとお腹の中で敵=異物として認識されにくくなってしまうため、作用が著しく減弱してしまうことが1990年に東京薬科大学から発表されています。
*引用論文(Chem Pharm Bull 1990 Feb; 38(2):477-81)
私たちのキングアガリクス製品は、東京薬科大学での研究結果をもとにβ-グルカンを高分子のままで製品化していますので、β-グルカンの優れた作用をご健康にお役立ていただけます。
株式会社ケーエーナチュラルフーズ
東栄新薬株式会社
元井章智
PS.
*市販されているアガリクス製品の中には、β-グルカンを人工的に加工した低分子化○○、水溶性××、△△壁破砕といった製品があります。
「低分子化したアガリクス製品には効果がなかった」といった内容が京都大学からも発表されています*ので、アガリクス製品を選ぶときにはβ-グルカンを人工的に低分子化していない製品を選んでください。
*原著論文(Int J Urol. 2010 Jun;17(6):548-54. doi: 10.1111/j.1442-2042.2010.02528.x. Epub 2010 Apr 19.)
投稿者プロフィール
元井章智
東栄新薬株式会社代表取締役社長
株式会社ケーエーナチュラルフーズ代表取締役社長
慶應義塾大学SFC研究所所員、東京薬科大学薬学部免疫学教室専攻
日本抗加齢医学会会員、NR(栄養情報担当者)・サプリメントアドバイザー