カビの世界
2016年10月11日
執筆:元井章智
10月1日~2日に開催された第60回日本医真菌学会に参加してきました。
この学会は、感染所の中でも真菌(カビやキノコ)に関連する病気や、治療法などを対象にしていて、医師(皮膚科など)の他にも、薬剤師、獣医師、検査技師の先生方が参加されています。
キノコは八百屋さん(最近ではスーパーの野菜売り場といった印象が強いのかもしれませんが)で売られていることから、野菜の一種と思われている方が時々いらっしゃいますが、
キノコは立派な真菌=カビの仲間。
そしてもちろん、私たちのキングアガリクスも真菌に分類されます。
今回は、20年ほどキングアガリクスの研究を継続して頂いている
東京薬科大学薬学部免疫学教室から
キングアガリクスに関する6本の学会発表がありましたので
東栄新薬株式会社として出展、
私自身も学会に参加して来ました。
(展示ブース前)
(学会発表ポスターの前で)
今回はアガリクスの主成分であるβ(ベータ)-グルカンに関する発表がメインでした。
学会開催期間中は
展示ブースでキングアガリクスの説明やシンポジウムに参加
その他、会場内をいろいろと見て回っていたところ
展示スペースで顕微鏡を発見!!
病気に関連する「カビ」が展示されていましたので
その様子を今回のコラムでご紹介いたします。
「カビ」の世界
学会展示会場には、6台の顕微鏡が置かれていて
それぞれ5種類くらいの「カビ」の標本が置かれていました
(標本は金沢医大、千葉大、理研、明治薬大より提供)
顕微鏡の前に座り、カビの標本をセット
対物レンズ(この時は20倍)を設定して、焦点を合わせます
(接眼レンズの倍率は不明です)
そして見えてきたのがコチラ
↓
Aspergillus nidulans (アスペルギルス ニデュランス)
菌糸の先が帽子のようになっているのが特徴です。
Aspergillus fumigatus (アスペルギルス フミガタス)
先ほどのニデュランスの仲間なので、形も似ています。
さまざまな環境中に存在し、実はほとんどの人が毎日吸い込んでいます。
健康な人なら問題ないですが、免疫力が低下している方だと、アスペルギルス肺炎などの原因菌となります。
Asperugillus niger(アスペルギルス ニガー)*ニガーは「黒」という意味です
黒カビとも言われ、非常に一般的なカビ
梅雨時に食パンなどを放置してしまうと、、、残念ながら良く見かけることができます
β-グルカンに関するアガリクスの研究などでも使用しています
続いてコチラ↓
どちらも非常に有名なカビが原因となる病気の原因菌です
Trichophyton rubrun (トリコフィトン ルブルム)
Trichophyton mentagrophytes (トリコフィトン メンタグロフィティス)
これらのカビは白癬菌(はくせんきん)の一種で、引き起こす病気は、、、
「水虫」です
足の水虫の原因はほとんどこの2種類のカビが原因です
ちなみに白癬菌は足以外にも様々な場所に生じ、場所によって
頭部白癬(しらくも)、体部白癬(たむし)、股部白癬(いんきんたむし)、手部白癬は手の水虫、爪白癬は爪の水虫と言われます。
今回は、カビの顕微鏡の画像をご紹介しましたが、
実は、カビは抗生物質(ペニシリン)の元となったり
チーズなど食品とも非常に強い関わりがあります。
今後、時間があるときに、生活に役立つカビなどについてもご紹介したいと思います。
投稿者プロフィール
元井章智
東栄新薬株式会社代表取締役社長
株式会社ケーエーナチュラルフーズ代表取締役社長
慶應義塾大学SFC研究所所員、東京薬科大学薬学部免疫学教室専攻
日本抗加齢医学会会員、NR(栄養情報担当者)・サプリメントアドバイザー