ブロリコとアガリクスの比較
ブロリコとアガリクスの比較
執筆:元井章智
ブロリコとアガリクスのデータの比較
最近、ブロッコリーの原料から抽出した【ブロリコ】という成分について
お客様から質問されることがあり
ブロリコに関するデータを調べてみました。
ブロリコのデータ
初期的な情報収集としてwikipediaを確認しましたが
記載内容が【露骨な宣伝・広告のみが目的】として即時削除されると記載されていたため
他のサイトで、ブロリコの研究情報収集を行ったところ
http://www.brolico-research.jp/page/immunity03.html
に以下のようなデータがありました。
1)カイコを対象にした研究を元に製品化
2)アガリクスやフコイダンを上回る免疫効果
3)ヒト臨床試験により、10%の免疫細胞活性が確認
これらのブロリコの有効性に関するデータと
アガリクスを代表する菌株キング・アガリクス21=KA21株のデータとを
比較してみたいと思います
ブロリコとアガリクスの比較データ
1)カイコを対象にした研究を元に製品化
ブロリコはカイコの筋肉の縮み方で、
免疫効果がわかると紹介されていましたが、
根拠となる論文が紹介されておらず
その効果は検証できませんでした。
一方のアガリクス(キング・アガリクス21株)のデータは
ヒト(人間)、マウス(ネズミ)、ラットを始め様々な動物で研究が行われ
有用性が科学的に信頼される【論文】として24本も発表されています
カイコで効果が検証されたとするブロリコと
人間で有用性が検証され、研究内容が数多くの論文として発表されているアガリクス
どちらの情報を信頼しますか?
2)アガリクスやフコイダンを上回る免疫効果
ブロリコは免疫細胞を活性化させ、その活性効果は他の食品成分よりも高いとされています。
アガリクス(β-グルカン)の50倍
メカブフコイダンの60倍
DHAの70倍
アサイーの240倍
プロポリスの1000倍以上
こちらに関しても、根拠となる論文は紹介されておらず
自社の社内データのようです。
検証方法の詳細などが紹介されていないため
科学的に根拠のあるデータとして比較されている
とは判断できませんでした。
ブロリコが新規成分であり
研究がまだあまり行われていないためか
その他、信頼される論文として
ブロリコとアガリクスを比較したものは見つかりませんでした。
3)ヒト臨床試験により、10%の免疫細胞活性が確認
【2011年に実施した1ヶ月のヒトでの臨床試験では、平均10%のNK細胞の活性化が確認されました。】
下記ホームページにありました。
http://www.brolico-research.jp/page/immunity03.html
根拠となる論文名がホームページでは紹介されていなかったため
世界的な論文検索サイト【PUBMED】で【broccoli extract human NK 】と検索しましたが
見当たりませんでした
インターネットを利用して探したところ
【薬理と治療】といった日本国内の学術誌に掲載されていました
論文の抄録を確認したところ
医薬品などの有効性を確認するブラセボと呼ばれる偽薬を対照とした
試験結果の信頼性が高いダブルブラインドテストではなく
飲用前後の比較をオープンラベルスタディと呼ばれる試験でした
アガリクスの場合は【PUBMED】検索で【agaricus human nk】で検索すると
3件の論文がヒットし、そのうち、キング・アガリクス21に関する論文は
【オックスフォードジャーナル】という世界的にも有名な海外学術誌に掲載されています
また、試験デザインも医薬品の有効性判定などに使用される
ダブルブラインドテストで結果が検証されていました。
研究データで直接ブロリコとアガリクスを比較することはできませんが
論文が掲載されている学術誌と試験デザインなどの信頼性を比較すると
アガリクスのデータの方が信頼性が高いと考えられます。
なお、ブロリコのホームページ
http://www.brolico-research.jp/page/immunity03.html にある
【世界的医学誌Lancetに掲載された埼玉県立がんセンターの研究】は
ブロリコに関する研究ではなく、あくまでNK細胞活性に関する研究ですので
今回の論文の比較対象とはしませんでした。
ブロリコとアガリクスの比較のまとめ
ブロリコに関するホームページにある情報をもとに
科学的に信頼されている論文に記載されているデータをもとに
ブロリコとアガリクスを比較しました。
結果としてブロリコとアガリクスを直接比較したものはなく
紹介されている比較データに関しては
科学的に信頼できる論文として発表されているものではありませんでした。
新規成分であるブロリコと
永年に渡って研究が行われ
科学的に信頼性できるデータ=論文として
数多く発表されているアガリクス
どちらをあなたは選びますか?
投稿者プロフィール
東栄新薬株式会社代表取締役社長
株式会社ケーエーナチュラルフーズ代表取締役社長
慶應義塾大学SFC研究所所員、東京薬科大学薬学部免疫学教室専攻
日本抗加齢医学会会員、NR(栄養情報担当者)・サプリメントアドバイザー