治療やサプリメントの効果をどのように判断するか?

2018年5月7日

効果

執筆者:元井章智

最近では、一般的な病院で受ける診療(保険診療)の他に、自費で様々な治療(補完代替医療*)を受ける方が増えてきています。

*補完代替療法とは、一般的な病院でうける診察(保険診療)をサポートする目的で行われるサプリメント、鍼・灸、マッサージ、温熱療法などがあります。

病院で治療を受けている方の40%以上が、なんらかの補完代替療法を行っているといった調査結果が2005年に発表されており、インターネットの普及により情報を入手しやすくなった現在ではその比率がもっと高まっていると考えられます。

そのような背景の中で、「治療を受けたり、サプリメントを飲んでいるけど、実際に効果が出ているか分からない」といったお声をよく頂きます。

今回のコラムは、サプリメントなどの効果をどのようにして判断するべきかについてご紹介します。

数値のみでなく、患者さんの生活を重視する欧米

昨今、アメリカ、ヨーロッパでは、治療を行う上で検査数値のみにとらわれず、患者さんが実際の生活で感じるQOL(Quality Of Life=生活の質)を重視した治療にシフトしてきています。

抗がん剤を例にあげると、アメリカで医薬品の承認を行う政府機関FDA( Food and Drug Administration)では、効果判定の際に、延命効果、腫瘍の縮小効果のみではなく、患者さんのQOL評価を取り込むことを勧告しています。

そして、サプリメントなどを含む補完代替療法の効果判定の評価方法としては、EORTC QLQ30 (European Organization or Research and Treatment of Cancer )といった30項目のアンケートを用いるケースが増えてきています。

患者さんの生活の状態を調べるアンケート

以下に実際のアンケート項目をご紹介します。

1~28項目は

①まったくない、②すこしある、③多い、④とても多い、の4段階で評価します。

1 重い買い物袋やスーツケースを運ぶなどの力作業に支障がありますか
2 長い距離を歩くことに支障がありますか
3 屋外の短い距離を歩くことに支障がありますか
4 一日中ベッドやイスで過ごさなければなりませんか
5 食べること、衣類を着ること、顔や体を洗うこと、トイレを使うことに人の手をかりる必要がありますか?

▼以下は、この1週間の状況についてチェックします。

6 仕事をすることや日常生活動作に支障がありましたか
7 趣味やレジャーをするのに支障がありましたか
8 息切れがありましたか
9 痛みがありましたか
10 休息をとる必要がありましたか
11 睡眠に支障がありましたか
12 体力が弱くなったと感じましたか
13 食欲がないと感じましたか
14 吐き気がありましたか
15 吐きましたか
16 便秘がありましたか
17 下痢がありましたか
18 疲れていましたか
19 痛みがあなたの日々の活動のさまたげになりましたか
20 ものごとに集中しにくいことがありましたか。例えば、新聞を読む時や、テレビを見る時
21 緊張した気分でしたか
22 心配がありましたか
23 怒りっぽい気分でしたか
24 落ち込んだ気分でしたか
25 もの覚えが悪くなったと思いましたか
26 身体の調子や治療の実施が、家族の一員としてのあなたの生活のさまたげになりましたか
27 身体の調子や治療の実施が、あなたの社会的な活動のさまたげになりましたか
28 身体の調子や治療の実施が、あなたの経済上の問題になりましたか

▼以下は、①(とても悪い)~⑦(とても良い)の7段階で評価します。

29 この一週間のあなたの健康状態は全体としてどの程度だったでしょうか
30 この一週間、あなたの全体的な生活の質はどの程度だったでしょうか

治療の前後でこのアンケートを行い、実際に患者さんの生活がどのように変化(改善、悪化)しているかを判断します。

アンケートの質問内容から解ること

1~5は日常生活の状態を非常に具体的に聞いています。

また、日常生活の身体的な面(18.疲れていましたか など)だけでなく、精神的な面(24.落ち込んだ気分でしたか など)、また治療が日常生活に与える影響(26~28)なども質問しています。

サプリメントや補完代替療法に期待される役割として、【患者さんのQOL(生活の質)を高める(維持する)ことで一般的な保険診療をサポートする】ことがあげられます。

効果を判断する際には、上のアンケートに含まれるような内容も一つの指標として見てはいかがでしょうか?

投稿者プロフィール

社長

元井章智

東栄新薬株式会社代表取締役社長

株式会社ケーエーナチュラルフーズ代表取締役社長

慶應義塾大学SFC研究所所員、東京薬科大学薬学部免疫学教室専攻
日本抗加齢医学会会員、NR(栄養情報担当者)・サプリメントアドバイザー