口の中にいる細菌【オーラルフローラ】について

2018年2月26日

口

執筆者:元井章智

現在、テレビやニュースなどでも頻繁に取り上げられるようになった【腸内フローラ】

善玉菌、悪玉菌や日和見菌など様々な種類の細菌が腸内に共生していて(一緒に住んでいて)、お花畑のような様子から【フローラ】と言われます。

実は、口の中にも腸内と同じく、善玉菌、悪玉菌、日和見菌が共生していて、この口の中の細菌叢(さいきんそう)を【オーラルフローラ】といいます。

腸の中に次いで細菌数が多いのが口の中で、口で飲み込んだ食事はもちろん、菌も腸に運ばれることから、腸内フローラとオーラルフローラは密接に関連しています。

最近では、オーラルフローラにも注目が集まってきており、先日参加した日本抗加齢医学会の研修講習会でも講演がありましたのでご紹介いたします。

口の中にいる細菌【オーラルフローラ】について

講師:斎藤一郎先生(鶴見大学歯学部病理学講座)

講義の中では口の中にいる代表的な菌として歯周病菌、カンジダ菌、乳酸菌が紹介されていました。

歯周病菌

口の中には約700種類1000億個の細菌が生息していて、悪玉菌として有名なのが歯周病菌です。

歯周病菌は糖尿病、心血管障害、呼吸器感染(誤嚥性肺炎)、妊娠異常、骨粗しょう症など、様々な疾患との関連性が指摘されています

近年では歯周病菌を飲み込むことで腸内フローラが変化して、免疫力に影響を与えることがわかってきました

カンジダ菌と乳酸菌

カンジダ菌は人間の皮膚や女性の膣内などにいる常在菌の一つで、免疫力が低下によって皮膚カンジダ症や性器カンジダ症(膣カンジダ)などを引き起こす菌として知られていますが、実は口の中にも存在しています

体調が悪い時に口の口角(両端)が切れることがあるかと思いますが、じつはあれ、カンジダ菌が原因のカンジダ口角炎の可能性が高いそうです

(その他、カンジダ菌による口のトラブルにはカンジダ口唇炎などもあります)

治療には抗真菌薬などを使用しますが、長期の使用は避けたほうがいいとされます

そこで、注目されたのが乳酸菌

乳酸菌には、このカンジダ菌を抑える効果が期待されていて、食べるときに乳酸菌を口の中でよくなじませてから食べるといいそうです

実際に人で効果を確認したところ、以下のような結果となりました

乳酸菌の摂取後にカンジダ菌の増殖が抑制

口の中の症状として、味がおかしいや口臭が気になるなどの項目が改善

全身症状としては、下痢や、冷え性、のぼせが改善しました

講演を聞いて

昨年、アメリカの癌に関する学会に参加した際に、歯周病菌と癌のリスクについて以下のように紹介されていました。

歯周病は癌のリスクを13%高め、病気の進行によって歯の本数が少ない場合、がんのリスクは45%も高まる。

歯周病だとタバコを吸わなくても、タバコに関連した癌(肺がんなど)のリスクが33%高まり、歯周病が進行して歯が16本以下の場合は、17本以上に比べて2.5倍リスクが高まる。

歯周病は他にも膀胱がん、食道がん、頭頸部の癌など喫煙との関連性があるがんとの関連性が確認された。

詳細についてはこちらを参照→【がんと歯周病の関連性】

今回の講義以外にも、乳酸菌の飴などを舐めていると虫歯にかかりにくいといった話を医師の先生からも聞いたことがあります。

ここ2~3年で、腸内フローラが大きな注目を浴びるようになりましたが、今後、オーラルフローラも注目を浴びてくるのではないかと思います。

東栄新薬株式会社

株式会社ケーエーナチュラルフーズ

元井章智

※今回のコラムは日本抗加齢医学会 研修講習会でのご講演内容を参考とさせて頂きました。

「抗加齢医学の基礎知識と口腔のアンチエイジング」

講師:斎藤一郎先生(鶴見大学歯学部病理学講座)

投稿者プロフィール

社長

元井章智

東栄新薬株式会社代表取締役社長

株式会社ケーエーナチュラルフーズ代表取締役社長

慶應義塾大学SFC研究所所員、東京薬科大学薬学部免疫学教室専攻
日本抗加齢医学会会員、NR(栄養情報担当者)・サプリメントアドバイザー