乳がんのリスクが夜間13時間の絶食状態で低下

2017年4月24日

空腹

執筆:元井章智

「がん患者さんは●●を食べた方がいい」

「××は食べない方がいい」

「肥満はがんのリスクファクターとなる」

といったデータを良く目にします。

2月に開催されたアメリカ自然療法医の癌学会で

【がんに対する自然療法:2016年に公開された研究のハイライト】といった講演がありました。

その中で、【夜間13時間の絶食状態が、乳がん患者さんの予後にどのような影響を与えるのか?】といった、ちょっと変わったデータが紹介されていました。

内容は補足情報(21日間絶食したリンパ腫患者さんの症例報告)と併せてもスライド2枚分と短かったのですが、非常に興味深い内容でしたのでご紹介したいと思います。

夜間13時間の絶食状態と乳がん患者の予後

(原著論文:「Prolonged Nightly Fasting and Breast Cancer Prognosis」

JAMA Oncol. 2016;2(8):1049-1055. doi:10.1001/jamaoncol.2016.0164

27歳~70歳の乳がん患者(糖尿病なし)2413人のデータ(1995年3月1日から2007年5月3日まで)を解析した結果、13時間以上の空腹状態がある群とない群では以下が確認された。

がんの再発リスクが36%

乳がん関連死が21%

死亡リスクが22%低下

糖尿病の指標となるHbA1cも低下

21日間水だけで絶食したリンパ腫患者の症例報告

補足情報として絶食に関しては以下の症例報告がある。

(注意:非常に危険なのでマネはしないほうがいい!)

42歳のステージⅢaのリンパ腫患者

21日間水だけの絶食を行ったところ、リンパ腫病変が縮小

その後、植物性の加工食品(砂糖、オイル、塩の添加なし)の食事でフォローしたところ、6~9ヶ月後に病変が消失、無症候を維持している

肥満状態も改善、BMIが診断時29.4、断食開始時28.6、断食終了25.29、6ヵ月後23.13

講演を聴いて

まず、「夜間13時間の絶食状態と乳がん患者の予後」に関してですが、日常生活に置き換えてみると以下のようになります。

前日の夜6時に食事→翌朝7時に食事

前日の夜7時に食事→翌朝8時に食事

前日の夜8時に食事→翌朝9時に食事

実際の生活に当てはめてみると、いかがでしょうか?

一般的な9時~17時勤務の方だと、なんとか大丈夫かもしれませんが、残業などがあるとちょっと難しいですね。

必ず13時間を厳守しなければいけないというわけではないので、なるべく夕飯は早い時間に食べるといったように、参考程度にお考えいただければ幸いです。

なお、なぜ長期間の絶食状態がいいかといったことに関しては、他の講演で、「腸内細菌は空腹時に増える」「絶食することで抗がん剤の副作用を抑えられる」といったことが紹介されていましたので、そのあたりも影響しているのかもしれませんね。

症例報告に関しては、

BMIがもともと29.4(体重81.6kg、身長の記載はありませんでしたがおそらく167cm前後)とかなりの肥満状態でしたので、一般的な体重制限は勧められるとは思います。

ただ、それでも水だけで21日間絶食するのはかなり危険ですよね。

講演内でもありましたが、こちらに関しては本当に危険ですのでマネしないでください

株式会社ケーエーナチュラルフーズ

東栄新薬株式会社

元井章智

*今回のコラムは

Lise Alschuler(リゼ アルシュラー)先生とTina Kaczor(ティナ カクゾール)先生の講演

【がんに対する自然療法:2016年に公開された研究のハイライト】

(Naturopathic Oncology: Highlights from 2016 Published Research )

で紹介されていた内容をご紹介しました。

注)海外での学会発表内容のご紹介です

個別の症状の予防、改善を保証するものではなく

あくまで参考程度にとどめて頂き

疾病の診断治療は専門医の指導のもと行ってください。

PS.

昨年、私がAANP(OncANPの関連学会)に参加して得た情報を

ハンドブック【アメリカでがん治療に推奨されている食事とサプリメント】

としてまとめました。

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投稿者プロフィール

社長

元井章智

東栄新薬株式会社代表取締役社長

株式会社ケーエーナチュラルフーズ代表取締役社長

慶應義塾大学SFC研究所所員、東京薬科大学薬学部免疫学教室専攻
日本抗加齢医学会会員、NR(栄養情報担当者)・サプリメントアドバイザー