真菌(カビやキノコ)が原因となる病気(呼吸器の病気)【真菌コラム第5回】

2017年3月15日

真菌(カビやキノコ)が原因となる病気(呼吸器の病気)

呼吸器の病気

肺スエヒロタケ症

毒キノコ

毒キノコによる食中毒はみなさんよくご存じかと思います。しかし、ヒトに感染することがあるキノコをご存知でしょうか?

タイトルにもあるようにスエヒロタケというキノコが肺に感染してしまう病気があります。ただし、他の食用のキノコはそんなことは起きないので安心してください。

感染は、キノコの作り出した胞子を人が吸い込んでしまい、肺に胞子が定着しどんどん成長し、はえてしまいます。普通のキノコの胞子は吸い込んでも人の免疫力には勝てないため増えることはまずありません。しかし、スエヒロタケの胞子はヒトの免疫力に強いため吸い込んだ胞子が肺で増えてしまいます。

気管の中にキノコが生えるわけではなく、菌糸状の形で定着し、症状としては咳やタンが長期間続きます。ちょうど喘息のような症状と似ています。感染者はそれほど珍しいというわけでもなく、数十例は報告されている感染症です。

このスエヒロタケは枯れた木に生えていて、日本のどこにでもいます。感染を予防する方法は胞子を吸わないようにするしかありません。キノコを食べていることは肺スエヒロタケ症には全く関係ないのでご安心ください。

スエヒロタケ

(スエヒロタケのイラスト)

気管支肺アスペルギルス症

アスペルギルスと言うカビに対してアレルギーを持っている場合、気管支肺アスペルギルス症という喘息のような症状があらわれる病気があります。普通の喘息と同じ薬がなかなか効きにくく症状が治りにくいと言われています。ステロイド薬と抗真菌薬というカビを殺す薬で治療します。

咳

クリプトコッカス症

鳥の糞や地面などに住んでいるクリプトコッカスという酵母が原因になる病気です。エイズ患者などの免疫力が低下した人に見られる感染症でしたが近年では、ステロイドなどの免疫を抑える薬を長期にわたって飲む人が増えてきており、そういった人たちにもクリプトコッカスの感染症が増えてきているという報告があります。症状は肺では風邪のような症状で、放置しておくと皮膚に発疹(ブツブツや腫れ)が出たり、吐き気や意識障害など深刻な症状が出るようになります。また、脳に感染すると髄膜炎になり非常に危険で特に注意が必要となります。

病院

今回のコラムでは、真菌(カビやキノコ)が原因となる病気(呼吸器の病気)についてご紹介しました。

次週、3月22日は

第6週【カビによる食中毒】についてご紹介いたします。

株式会社ケーエーナチュラルフーズ

東栄新薬株式会社

元井章智

*このコラムは私が専攻生として登録している

東京薬科大学免疫学教室のご協力により作成いたしました。