人とカビの関わりあいの歴史【真菌コラム第2回】

2017年2月22日

東京薬科大学免疫学教室のご協力によって先週(2月15日)から、

キノコ、酵母、カビなど真菌に関するコラムをご紹介しています。

先週のコラム キノコって野菜じゃないの?【真菌コラム第1回】

に引き続き、今週は【人とカビとの関わりあいの歴史】についてご紹介いたします。

人とカビの関わりあいの歴史

パン造りで利用されてきた真菌

私たちの身の回り至る所にいる真菌(カビ、酵母、キノコ)ですが、実は人との関わり合いの歴史は、微生物や真菌のことがはっきりと知られるずっと以前からありました。15世紀頃には真菌を利用した生活は世界中に広まっていました。例えば、フランスや東欧、ロシアで普及したパン作りです。

パン

当時、真菌はおろか微生物すらその存在は明らかになっておらず、パンの発酵などの原理も全く分かっていませんでした。今のようにパン酵母などもわかっていませんでしたので、ビールづくりでできる沈殿物(パン酵母が含まれている)をパンを膨らませるための種として使っていました。

ビール

医薬品や、酒、発酵食品としても

私たちの生活には他にもさまざまなことに真菌を利用しています。最近ドラマでも登場したことで広く知られている抗生物質のペニシリンはアオカビからつくられています。

注射

他にも様々な医薬品やバイオ関連製品、また酒、発酵食品などにも広く真菌が利用されています。

焼酎

真菌の研究

これだけ真菌と私たち人間の歴史は長いにもかかわらず、初めて人類が真菌を目に捉えることができたのはおおよそ17世紀ごろです。顕微鏡の登場によって酵母とみられる微生物がスケッチされました。

顕微鏡

さらに、人類が発酵の原理の研究を始めたのは、ほんの100年ほど前のことからです。その後、ミズカビやアオカビなどの成長過程などが詳細に描かれ、真菌の生態などが明らかとなってきました。ほとんどの真菌は菌糸という糸のようなものと胞子からできています。

菌糸は木の根のようにどんどん枝分かれして成長していきます。この菌糸が集まったものが菌糸体といい、カビやキノコを形作っています。

KA21株

(菌糸体の写真)

真菌の種類の見分け方は大まかに、真菌を培養して出来るカビの形や色などを肉眼で観察する方法や、顕微鏡を使って菌糸や菌の表面などの状態を確認する方法、そして遺伝子解析によって決定する方法があります。

8万以上の種類が確認されているカビやキノコ

カビやキノコは今のところ8万以上もの種類が確認されています。しかし、これはあくまでも現在確認されている数字なので、実際には私たちの周りにはもっと多くの種類のカビがいることは間違いないでしょう。しかも、毎年約千種類以上もの新種が報告されていて、菌の研究者によると総数は150万種類、もしくはそれ以上とも言われています。

データ

今回のコラムでは、人とカビの関わりの歴史についてご紹介しました。

次週、3月1日は

第3週【カビが生えないようにするには?】についてご紹介いたします。

株式会社ケーエーナチュラルフーズ

東栄新薬株式会社

元井章智

*このコラムは私が専攻生として登録している

東京薬科大学免疫学教室のご協力により作成いたしました。