身近にある生薬、ちょっと変わった生薬

2016年12月26日

みかん

執筆:元井章智

前回(12月19日)のコラム 生薬と漢方薬の違い では

先日まで受講していた

東京薬科大学の漢方講座(中級)で学んだ内容の

「生薬は漢方薬の原材料」をご紹介いたしました。

例:生薬である葛根(カッコン=クズの根)は葛根湯(漢方薬)の原材料

今回のコラムでは

身近にある生薬と、よく耳にする生薬、ちょっと変わった生薬をご紹介いたします

身近にある生薬

蒲公英(ホコウエイ)

タンポポ

タンポポの草を乾燥したものです

「清熱解毒薬」に分類

魚腥草(ギョセイソウ)

ドクダミ

ドクダミの草を乾燥させたもの

魚の匂いがすることから、この名前が付いたそうです

「清熱解毒薬」に分類

芦薈(ロカイ)

アロエ

アロエの葉から抽出した液汁を濃縮乾燥したもの

熱からくる便秘に良いとされます

現在では、肌荒れ用のクリームとしても有名ですね

玉米須(ギョクマイス)

トウモロコシ

トウモロコシの花柱、柱頭を乾燥したもの

利尿作用があり浮腫みなどに使用されます

生姜(ショウキョウ)、乾姜(カンキョウ)

ショウガ

生姜は体を温める作用があるとされます

最近はショウガ茶や飴としても販売されていますよね

生姜は、家庭で煎じる時などは生の生姜を使いますが、

薬局などで処方する場合は乾燥した生姜(乾姜=カンキョウ)を使用します。

なお、生の生姜と乾燥した乾姜では効果が違うと考えられており

生の生姜は食べた時にだけ体を温め、乾燥した乾姜は持続作用があるそうです

陳皮(チンピ)

みかん

陳皮

成熟したミカンの皮を乾燥したもの

「気」を巡らせる作用があるとされます

白果(ビャッカ)

銀杏

銀杏の種を乾燥したもの

喘息や頻尿に良いとされます

大量摂取で中毒症状があるので注意が必要です

中国国内で子供が多量摂取によって死亡した例もあるそうです

よく耳にする有名な生薬

葛根(カッコン)

葛根

葛根とは、字のままですが「葛(クズ)の根」

「辛涼解表薬」に分類

葛根湯の原料として有名ですね

杜仲(トチュウ)

杜仲

杜仲茶として最近では国内でも良く耳にするようになりましたね

御種人参(オタネニンジン)

人参

オタネニンジン

(下は刻んで乾燥したもの)

スーパーなどで売られているニンジンとは種類が異なります

「気」を補う「補気薬」

5~6年かけて生育した6年根などがよく使用されます

霊芝(レイシ)

レイシ

世界的にも有名なキノコの生薬

冬虫夏草(トウチュウカソウ)

冬虫夏草

蛾(が)の幼虫にキノコが寄生したものを乾燥して使用します

チベット産が有名

鬱金(ウコン)

ウコン

ウコン

ウコン

(下は香辛料として有名なターメリック)

春ウコンの塊根を乾燥したもの

紫ウコンは莪朮(ガジュツ)と呼ばれます

決明子(ケツメイシ)

決明子

エビスグサの種を乾燥したもの

目や便通に良いとされます

杏仁(キョウニン)

杏仁

杏仁には苦いもの(苦杏仁=クキョウニン)と、甘いもの(甜杏仁=テンキョウニン)があります

生薬には苦いものが使用され、杏仁豆腐には甘いものが使用されます

ちょっと変わった生薬

鹿茸(ロクジョウ)

鹿の角

鹿の角

鹿の角を切ったもの

「補陽剤」に分類

一般的に食物由来の生薬よりも動物由来の生薬の方が薬効が強いとされます

黒蟻(クロアリ)

黒蟻

黒蟻を乾燥したもの

滋養強壮に良いとされます

地竜(ジリュウ)

ミミズ

ミミズを乾燥したもの

土の中を巡ることから、体内の巡り=循環にも良いと考えられたそうです

石決明(セッケツメイ)

アワビ

アワビの殻

内側がキラキラしていることから、眼に良いとされカスミ目などに使用されます

真珠(シンジュ)

真珠

目の病気、美肌に使用されます

桑螵蛸(ソウヒョウショウ)

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カマキリの巣

カマキリの巣を乾燥したもの

頻尿の改善に良いとされます

人中黄(ジンチュウオウ)

甘草(カンゾウ)の粉末を人糞に混ぜてつくるもの

授業では写真が紹介されていましたが

さすがに、このコラムでは掲載いたしません

漢方講座(中級)で学んだこと

身近な植物、動物、鉱物を利用する生薬、漢方は

西洋医学の薬のように症状に合わせて処方するのではなく

患者さんの体質(証)に合わせて処方されます

例:御種人参は気虚の人には補気薬として推奨されるが、実証、熱証に使わないなど

来年(2017年)秋に開講予定の上級編では

証の判断、漢方薬の処方検討など、具体的な症例検討を行います

中医学に対するより深い知識を習得するためにも、ぜひ受講をしたいと思います

投稿者プロフィール

社長

元井章智

東栄新薬株式会社代表取締役社長

株式会社ケーエーナチュラルフーズ代表取締役社長

慶應義塾大学SFC研究所所員、東京薬科大学薬学部免疫学教室専攻
日本抗加齢医学会会員、NR(栄養情報担当者)・サプリメントアドバイザー

PS.

年内のコラム更新は今回で最後になります

来年は1月10日から更新いたします