薬用キノコ市場の現状と今後の展望

2015年8月24~27日

IMMC8

執筆:元井章智

第8回国際薬用キノコ学会で

【薬用キノコ市場の現状と今後】に関する講演がありましたので

その内容をご紹介いたします

2015年8月24~27日 第8回国際薬用キノコ学会(コロンビア)

『Mushrooms biotechnology as a new tool to alleviate human hunger and diseases』

Shu Ting Chang博士(オーストラリア/中国)の講演内容

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薬用茸(キノコ)市場と今後の展望

キノコはもともと食品として普及していたが、

その後は薬用キノコ=サプリメントとしても

認知されるようになり、市場は大きく拡大してきた

薬用キノコは現在、そして今後も

食用のみでなくサプリメントとして

様々な疾患に利用されていくと考えられる

キノコは食品(Foods)として健康(Health)に役立ち、

サプリメントとして未病(Sub-Health)に、

そして薬として病気(Illness)に役だてられるようになった*

*この内容は

A Pyramidal Model of Mushroom Use (Chang & Wasser)

キノコの活用方法に関するピラミッドモデル

として、以前、Chang博士、Wasser博士両氏から発表されました

2011年の生産シェアは

中国65%、EU24%、USA5%

日本、インドネシア、カナダ1%

薬用キノコ市場は

2014年US$ 18,000,000,000(=21兆6000憶円)

2015年US$ 24,000,000,000 (=28兆8000億円)

前年比で比較すると33%も拡大しています

(*1ドル=120円で換算)

そのうち霊芝、冬虫夏草が

US$4,000,000,000(Wasser)~10,000,000,000(Chang)

4兆8000億円~12兆円と考えられる

(→元井コメント

中国関係の方の発表した数字がかなり大きいなど

発表者によってかなりバラツキがありますね)

エビデンス=研究データもたくさん出てきており

最近では世界的に権威ある科学誌

NATURE COMMUNICATIONSに

『霊芝が腸内細菌を介して

体重の減少作用を表すことが確認された(マウス)』

と発表された。

http://www.nature.com/ncomms/2015/150623/ncomms8489/full/ncomms8489.html

ARTICLE

Received 16 Dec 2014 | Accepted 14 May 2015 | Published 23 Jun 2015

Ganoderma lucidum reduces obesity in mice by

modulating the composition of the gut microbiota

今後も薬用キノコに関する研究が進み

市場も拡大していくことが期待される

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講演を聞いて

いままでは日本国内のアガリクスの流通量

といったことしか知りませんでしたが

(2003年に364億円など *矢野経済研究所レポートより)

今回、世界的な薬用キノコの流通量などについて

初めて聞きました

もともと中国では霊芝、冬虫夏草の人気が高いことから

ある程度の市場があるとは感じていましたが

ここまでの販売量だとは思いませんでした

海外では薬用キノコ研究の発展ともに

市場が大きく伸びているのに対し

日本ではもともとキノコ研究では世界トップレベルであったにもかかわらず

2006年中国産アガリクスによる風評被害*によって研究が遅れてしまい

薬用キノコ市場全般が伸び悩んでいる点が非常に対照的でした

*品質の悪い中国産のアガリクスによって

 肝障害などの健康被害が報告されました

 その後、アガリクスの安全性に関しては

 「アガリクスの健康被害は、それ以降は報告されていない」

 と厚生労働省より安全宣言が発表されています

投稿者プロフィール

社長

元井章智

東栄新薬株式会社代表取締役社長

株式会社ケーエーナチュラルフーズ代表取締役社長

慶應義塾大学SFC研究所所員、東京薬科大学薬学部免疫学教室専攻
日本抗加齢医学会会員、NR(栄養情報担当者)・サプリメントアドバイザー