癌(がん)と肥満・運動不足の関係

2016年3月3日

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先週(2月25日)は

【癌(がん)患者の体重管理の重要性】

といった講演内容をご紹介しました

今週はアメリカのがん統合医療に関する協会

統合腫瘍協会国際会議(SIO)の基調講演(メインとなる講演)で発表された

【生活習慣の変化、運動と栄養】の前半部分

【癌(がん)と肥満・運動不足の関係】

に関する講演内容をご紹介します

生活習慣の変化、運動と栄養

Jennifer Ligibel(ジェニファー リジベル) 医師

ザキムセンター統合医療部門、ダナ ファーバーがん機構、ハーバードメディカルスクール

2015年11月14~16日

第13回統合腫瘍学会国際会議(SIO)(ボストン)

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(講演の様子)

主な講演内容

生活習慣ががんの発症リスクと予後にどの程度影響を与えるのか?

がん患者とサバイバー*におけるダイエットと運動の効果

生活習慣の改善が、がんによる死亡率や、がんの進行リスクを下げることができるのか?

がんのサバイバー*に対してどのようにして生活習慣を改善できるようサポートするべきか

*がんサバイバー=がん治療が終了した患者

生活習慣と癌(がん)の関連性

生活習慣ががんの発症リスクと

予後(再発・死亡など、発症後の状態)にどの程度影響を与えるのか?

肥満とがん

肥満とがんとの関連性について以下のようなことが分かっている

○肥満はがんの発症リスクを高める

○肥満の人は通常体重の人に比べて、大腸がんの発症リスクが33%高い

○体重減少はがんのリスクを低下させる

肥満・運動不足とがん

肥満に関しては

無活動(運動不足)とがんの発症リスクに関しても

以下のようなデータが出ている

○運動と大腸がんの発症リスクの関連性

○肥満と乳がん患者の生存率

○BMIと再発リスク

*BMIについて

BMI(Body Mass Index)=体重Kg/(身長m×身長m)

例:私の場合 70Kg/(1.82m×1.82m)=21.1となります

BMIは肥満度の指標とされていて22が標準体重とされています

≧25 肥満

≧18.5~25> 普通体重

<18.5 低体重

○BMIが1増加すると再発リスクが1.5%増加する

具体的には

BMIが22から27になると再発リスクは8%増加

BMIが22から32になると再発リスクは17%増加

○がん告知後に運動をしないでいると、死亡リスクが高まる

(乳がん、大腸がん、前立腺がんのデータ)

がん告知時に肥満状態の患者の率(アメリカ)

MDアンダーソン病院では30%で、他のデータでも23~37%

大腸がん、前立腺がんを対象とした調査でも同様の結果となっている

乳がんサバイバーにおける運動の実施状況

25~32%くらいの乳がんサバイバーが全く運動をしていなかった

がん患者に対する生活習慣の改善効果

運動ががん患者にどのような影響を与えるか

多くの試験結果から以下のようなことが分かっている

○有酸素運動能力を高める(乳がん、前立腺がん、血液がん)

○筋肉を強める(乳がん、前立腺がん)

○柔軟性を高める(乳がん)

○体組成と体のサイズを改善(乳がん、前立腺がん)

○疲労の軽減(乳がん、前立腺がん、血液がん)

○QOL(生活の質)を高める

○身体能力を高める(乳がん、前立腺がん)

○不安、うつ状態の改善(乳がん)

その他、以下の関連性も指摘されている

○がんサバイバーに対する運動とQOL

○がん治療後の疲労感

乳がん患者に対する運動の効果

いままで運動をしていなかった(1週間に90分未満)肥満状態の乳がん患者を対象

通常の治療と併せて以下の運動プログラムを実施

週2回の体力トレーニング

週に2.5時間の有酸素運動(中~強度)

1年間のエクササイズで

身体能力、有酸素運動能力、体重の変化が確認

痛みの改善効果も確認された

がん患者にとって肥満と運動不足は好ましくなく

運動を行うことが好ましいことが示唆された

では、がんの告知後に栄養指導などを行い

生活習慣を改善すると予後に影響を与えるのか?

来週3月10日に講演の後半部分

【癌(がん)と栄養指導・肥満改善】についてご紹介いたします

主な内容

○低脂肪食と体重減少により、24%がんの再発率が減少した など

株式会社ケーエーナチュラルフーズ

元井章智

注)海外での学会発表内容のご紹介です

個別の症状の予防、改善を保証するものではなく

あくまで参考程度にとどめて頂き

疾病の診断治療は専門医の指導のもと行ってください