国際薬用キノコ学会の参加レポート

国際薬用キノコ学会の参加レポート

2015年8月24日~27日

執筆:元井章智

008

2年に1度開催される薬用キノコに関する国際学会

『国際薬用キノコ学会』に参加してきました。

前大会(2013年北京)に続き、私は2回目の参加になります。

第8回国際薬用キノコ学会(IMMC8)

*IMMC8(International Medicinal Mushroom Conference 8th

2015年8月24日~27日

開催地 マニサーレス(コロンビア)

世界34か国から薬用キノコの研究者が参加

今回も私たちのブラジル産自然露地栽培アガリクスに関する

研究成果を発表して頂くため

東京薬科大学免疫学教室の山中先生と一緒に参加しました。

ブラジル産自然露地栽培アガリクス農場の視察と併せて、

全旅程8月16日~29日 14日間の長期出張となりました。

ブラジルのアガリクス農場視察に関してはこちらをご覧ください↓

2015マニサーレス地図

ブラジル訪問はすでに4回目ですし

現地ではパートナーが同行してくれるので安心なのですが

コロンビアは初めての訪問です

いままでコロンビアというと、コーヒー豆と

サッカーが強いくらいしか知りません

10年前にコロンビアに行ったことのある友人に話を聞くと

夜、山では山賊やゲリラが出るとのこと

外務省のホームページ危険情報を見ると

「レベル:2 不要不急の渡航は止めてください」となっているので

行く前は不安でいっぱいでした

事前に黄熱病のワクチンを受けて

万全の状態で臨みました

8月23日

ブラジルのアガリクス農場視察の後

学会の開催地マニサーレスを目指してサンパウロを出発

サンパウロ(ブラジル)

↓ 5時間55分のフライト

ボゴタ(コロンビアの首都)

↓ 1時間15分のフライト

マニサーレス(学会開催地)

同じ南米だから、、、

と安易に考えていましたが

やはり南米大陸は大きく、併せて約7時間のフライトでした

さらにマニサーレスに到着していると思ったら

天候不順のため、ペレイラのマテカーニャ空港に到着

機内アナウンスがスペイン語のみだったため

違う空港に着いていることに全く気が付きませんでした

マニサーレス

ペレイラからバスに揺られ1時間

やっと学会会場兼宿泊施設のホテルに到着しました

コロンビアは赤道付近のため

暖かいのかと思っていましたが

ボゴタ(標高2,640m)やマニサーレス(標高2,100m)

は標高が高く涼しかったです

8月のマニサーレスの気候

平均最高気温 21.7℃ 平均最低気温 12.0℃

事前にコロンビアは治安が悪いと聞いていたので

マニサーレスの街中には出ずに

ホテル付近で時間を過ごしました

8月24日(学会初日)

9:30 開会式が始まりました

開会式

開会式の様子

次の大会(2017年)はイタリア シシリアに決定との発表もありました

開会式の後、午前中は、

学会の中心メンバーであるChang博士、Wasser博士による

薬用キノコ全般に関する発表が行われました

○薬用キノコと食用キノコ

○薬用キノコの現状と今後の展望

今まではアガリクスと

日本国内の薬用キノコ市場の動向しか知りませんでしたが

世界的な動向を知ることができました

✔世界的な薬用キノコ市場が急速に拡大している

(前年比33%アップ)

✔中国で人気がある=市場規模が大きいため

霊芝、冬虫夏草の世界シェアが高い

✔日本国内では

レンチナン、クレスチンが薬用キノコとして

アガリクスなどはサプリメントとして

統合医療の分野で活用されていますが

世界的には

130もの薬用効果を期待して使用されているそうです

午後になるとキノコの有効成分β-グルカンに関する演題や

キノコの栽培方法による効果の違いといった発表が多く

注目を浴びている発表内容が多かったです

○キノコの有効成分β-グルカンの構造に関して

○メシマコブの栽培方法による有用成分などの違い

○アガリクスの栽培方法による有用性の違い(山中先生の発表)

山中先生発表

発表している山中先生

夕方から懇親会が始まり、多くの薬用キノコの専門家の方々と

意見交換をすることができました

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イタリアの Dr. Walter Ardigò

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カナダのRobert M. Macrae博士

私の身長が181cmなので、2m近いかと思います

8月25日(学会2日目)

今日からは

①薬用キノコの効果に関する内容

②堆肥や栽培方法に関する内容

2つの会場に分かれての発表になります

私は興味のある発表を聞くために

会場を行ったり来たりしていました

○機能性疾患(パーキンソン病など)に関するキノコの研究

○チャーガ(カバノアナタケ)について

○アガリクスの栽培方法について

○霊芝(レイシ)の栽培方法について

栽培方法に関する研究が進んでいるなど

世界的にもアガリクスや霊芝への注目度の高さがうかがえます

8月26日(学会3日目)

今日が実質的な最終日になります

薬用キノコを実際に患者さんに処方した例などが紹介されていました

○シイタケ、霊芝、アガリクスと自己免疫疾患(橋本病)

○霊芝と更年期障害

○中南米での薬用キノコの利用実態

ヨーロッパでの薬用キノコの処方例や

中南米の利用実態を聞いて

本当に幅広い病気に薬用キノコが活用されていることを実感しました

今日は実質的な最終日のため集合写真を撮影

集合写真

036

ちなみにコロンビアではアジア人はかなり珍しいらしく

何人かの人に「一緒に写真を撮ろう」と声をかけてもらい

ちょっとうれしかったです

夜はマニサーレスの中心街に行って

Farewell Party(お別れ会)を行いました

現地の学生さんが同行していたので

特に危険なことなどはなかったのですが

ホテルに帰るときに

「危険ですので街中に出歩いたりせず

必ずタクシーでホテルに直行して下さい」

と注意されました

8月27

今日は学会の閉会式と

オプショナルツアー(霊芝の栽培工場見学)です

○霊芝のハウス栽培方法

栽培工場の見学予定時間は

午前中だけと言われていたので

帰りの飛行機17:00には十分間に合うと思って参加しました

しかし、お昼過ぎにはホテルに戻る予定が

なぜかバスは近くの他のホテルに立ち寄り

そこでガーデンパーティーが始まりました

見学ツアーの担当者に

飛行機の時間があるので先にホテルに帰りたいと言っても

「大丈夫、大丈夫」としか言いません

他の参加者からは

「まぁ、ここはラテンアメリカだから

予定なんて当てにならないよね」

とのこと

結局、農場の方に頼んで

私と山中先生だけ車でホテルまで送ってもらい

なんとか帰りの便に間に合いました

マニサーレス

→ボゴタ(コロンビア)

→ダラス(テキサス アメリカ)

→ロサンゼルス(カリフォルニア)

→東京成田

途中、マニサーレスで航空会社が荷物を積み忘れた

というトラブルがあり

ここでもラテンアメリカの洗礼を受けるも

無事にボゴタでスーツケースを回収

帰りは4回乗り換えて

飛行機内で21時間、乗り換えに12時間

33時間かけて日本に帰ってきました

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学会を振り返って

いろいろな先生方と話をしていたのですが

日本の薬用キノコ研究は世界でもトップクラスだったため

研究のために日本に留学したことのある先生方が多く

日本語を話せる方が何人かいらっしゃいました

ただ、残念なことに

世界トップクラスだった日本の薬用キノコ研究ですが

2006年に品質の悪い中国産アガリクスの健康被害が発生し

薬用キノコ全般に対する風評被害が起き

日本の薬用キノコの研究は大幅に遅れてしまいました

今回の学会でも日本からの参加者は

山中先生と私以外には

神戸大学の水野先生のグループしかいません

日本で最も人気のあるキノコであるアガリクスに関しても

私たちの露地栽培アガリクスに関する研究以外は

ほとんど行われていないのが現状です

まだまだ解らないことが多い分野だからこそ

研究開発を継続して行う必要があり

それはメーカーの責務であると考えています

世界各国で最先端の研究を行っている方たちと出会うことで

これからも地道に研究を重ねていこう

と改めて決意しました

株式会社ケーエーナチュラルフーズ

元井章智

PS. 学会参加証です

IMMC8証明

投稿者プロフィール

社長

元井章智

東栄新薬株式会社代表取締役社長

株式会社ケーエーナチュラルフーズ代表取締役社長

慶應義塾大学SFC研究所所員、東京薬科大学薬学部免疫学教室専攻
日本抗加齢医学会会員、NR(栄養情報担当者)・サプリメントアドバイザー