アメリカの自然療法医について

2016年8月8日

自然療法医

7月26日~30日にアメリカ、ユタ州、ソルトレイクシティーで開催された

薬用ハーブやキノコを処方している自然療法医の学会

AANP2016(American Association of Naturopathic Physicians)

(アメリカ自然療法医2016年年次総会) に参加しました。

今回のコラムではアメリカの自然療法医についてご紹介します

自然療法医について

アメリカには日本と同じ一般的な西洋医学を施す医師(メディカル ドクター=M.D.)の他に

薬用ハーブやキノコ、サプリメントなどを処方して患者を治療する

自然療法医(Naturopathic Physicians=ナチュロパシック フィジシャン)がいます。

自然療法医は資格制度となっていて

4年間かけて自然療法メディカルスクールを修了することで

自然療法医(ナチュロパシック ドクター=N.D.)などの資格を得られます。

アメリカでは自然療法が医療行為として認められている州と

認められていない州があります。

(カナダの一部の州でも認可されています)

AANP認可

淡い緑色がすでに認可されている州です。

1919年に初めて認可されたワシントン州をはじめ

カリフォルニア州など西海岸に多く見受けられ

現在では自然療法の認知度、需要の高まりから

認可する州は徐々に増えてきています。

自然療法の治療原則

自然療法医が行う治療法=自然療法は

以下を基本的な治療方針として掲げています

○元来、人が持つ自然治癒力を活用

○根本的な病気の原因を治療する

○有害な副作用がない(少ない)ものを選ぶ

○医師は教師であるべき

○疾患そのものではなく、人を治療する

○予防を重視する

その他、今学会の基調講演(メインとなる講演)では

「21世紀の自然療法」として

以下も提言されていました。

○患者そのものでなく、家族も治療する

○病気になる手前の「未病*」の状態にも着目する

○急性疾患が慢性化しないように治療する

(*「未病」という言葉は使っていませんが、同様の概念を紹介していました)

自然療法医が診ている主な疾患

主に西洋医学ではなかなか治らないとされる慢性疾患を見るケースが多いようです。

アレルギー、慢性的な痛み、消化器症状(下痢や便秘など)、ホルモンバランスの乱れ、肥満、呼吸器障害(COPDなど)、心疾患、不妊治療、更年期障害、慢性疲労、癌、線維筋痛症など

今学会では、特に、癌、慢性的な痛み、女性疾患(更年期障害など)、消化器症状、小児アレルギーなどが取り上げられていました。

自然療法の治療方法

具体的な治療法としては以下のような診断、治療を行います

栄養療法(指導)

食事療法

アメリカでは俗にいうジャンクフードの普及によって

肥満、糖尿病、心血管障害などが問題となっています。

正しい栄養情報を指導し、患者の栄養状態を改善します

サプリメント療法

サプリメント

栄養指導の一環としてビタミン剤、ミネラルなどの他

オメガ3、CoQ10(コエンザイムQ10)、乳酸菌なども処方します

薬用植物などの処方

薬用植物(ボタニカル ドラッグ)として

ハーブ類やキノコ由来のサプリメントなどを処方します

(キノコは植物ではなく、菌類です)

ハーブ類

ハーブ

ヨーロッパなどで伝統的に利用されているハーブを活用します

代表的なハーブに、エキナセア、セントジョーンズワート、

イチョウ葉、クルクミンなどがあります。

キノコ類

キノコの写真

霊芝、冬虫夏草をはじめ、アガリクスなど

様々な種類のキノコをサプリメントとして処方する他、

日常の食事にも推奨します

カウンセリング、生活指導

枕

禁煙指導や睡眠指導など日常生活の改善を指導します。

運動療法

ジョギング

運動不足は身体に様々は悪影響を及ぼします

運動を推奨することで健康的な体づくりを目指します。

その他の治療方法

上記以外にも、鍼、簡単な手術、ホメオパシー療法などを行います。

また、州によっては医薬品の処方も可能とのことです。

今学会ではデトックス療法やマインドフルネスも紹介されていました。

デトックス療法

有害金属イメージ

体内に蓄積した有害金属などを

点滴やサプリメントなどを使用して体外に排出します。

マインドフルネス

マインドフルネス

ストレス管理などに利用される瞑想に近いものです

最近では、がん患者のメンタルケアなどに推奨され

積極的に取り入れる人も増えてきているようです。

まとめ

日本でも現在、一般的な病院などで行う西洋医学にプラスして

サプリメントの他、鍼灸、マッサージなど様々な治療も一緒に行う

統合医療が浸透してきています。

統合医療

アメリカの自然療法医制度は

癌や慢性的な痛みなどを対象としたり

患者さんをトータルでケアするといった点で

日本の【統合医療】とかなり近いものです。

アメリカの自然療法と日本の統合医療

西洋医学が対象とする病気そのものの治療というよりは

患者さんのQOL(クオリティー オブ ライフ=生活の質)を重視するといった点から

時代のニーズによって普及してきているのだと思います。

今学会では、

〇癌に対する自然療法の活用

〇薬用ハーブやキノコの活用方法

〇デトックスの重要性

といった内容の講演や

自然療法を身近に感じるような

〇ハーブ ウォーク(山の中に入って、ハーブを探す)

〇マインドフルネス

を体験するイベントがありました。

海外の最新情報をご紹介することで

少しでも多くの方のご健康にお役立ていただけるよう

今後のコラムでご紹介してまいります。

株式会社ケーエーナチュラルフーズ

元井章智