免疫力を高めるツボ

2016年2月4日

免疫力を高める「ツボ」

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執筆:元井章智

いわゆる「ツボ」とは?

肩が凝ったときなど、いわゆる「ツボ」を指で押すと楽になることは多くの方が経験していると思います。古代中国医学では、身体の内側と外側を通る「氣」と呼ばれるエネルギーがあり、その通り道を「経絡」、エネルギーの中継点である出入り口を「経穴」と考えていました。その経穴の俗称が「ツボ」なのです。人体の各所には、ツボが数多く存在しており、鍼やお灸、指圧などの方法で刺激することで、様々な効果が得られることが知られています。

全身の経絡の流れ

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【世界保健機構(WHO)にも認められているツボ】

ツボを使った療法の歴史は古く、3,000年以上も昔の中国で生まれたとされています。民間療法だと思われがちですが、世界的にも効用が認められている漢方医学の一つで、2006年にはツボの位置に関する世界基準が世界保健機関(WHO)によっても確立されています。WHOの定義された全身のツボの数は361か所で、特に、筋と筋の間、筋と腱の間、筋と骨の間、関節のふくらみのある部分などに多く存在します。

ツボの探し方

ツボの探し方は、押したときにひときわ痛む「圧痛点」や「シコリ」のあるところがツボと一致すると考えると、分かりやすいと思います。身体内外のどこかに異常があるときに、押してみて痛みやシコリのあるツボが所属する経絡に関連した場所に問題があることを示すため、異常がある部位の診断に利用することができ、また、ツボ療法を行うことで、薬に頼る前の治療にも利用できるという、西洋医学には無い優れた特徴があります。

国際的に研究されているツボ療法

ツボ療法のうち、「鍼」は国際的に盛んに研究され、歯痛、腰痛、吐き気・嘔吐、ぜんそく、頸部痛、頭痛、関節リウマチ、脳卒中後の後遺症などへの効果が認められています。一方、最も手軽にできる「指圧」は、鍼ほどではありませんが、海外で西洋医学的な観点からも研究が進められ、吐き気・嘔吐、痛み、呼吸困難、疲労感、不眠などへの効果が実証されつつあります。鍼や灸は道具が必要で自分ではできない場合もありますが、指圧によるツボ押しは安全性も高く、効果も手軽なツボ療法として、ぜひ、日頃のメンテナンスに取り入れていただきたいと思います。

免疫力を高めるツボ

健康度の底上げや病気予防、病気からの回復には免疫が大きく関与していますが、免疫力アップにもツボ療法が有効です。免疫力アップにつながるツボは、直接免疫力アップにつながるツボもあれば、間接的に免疫力アップにつながるツボもあります。自分で押しやすく免疫力アップにつながるツボを3つ紹介します。

1. 合谷(ごうこく)

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合谷は別名「万能ツボ」とも呼ばれており、ここを刺激することで様々な効果が得られます。合谷を刺激すると脳内で鎮痛効果のあるエンドルフィンという物質が分泌され、痛みを緩和する効果があることで知られます。また、大腸の調子を整えることでも有名です。親指と人差し指の間の、やや人差し指側にあるツボに親指を当て、他の指で挟むようにして「いた気持ちいい」程度に強めに刺激します。左右両方のツボを均等に押してください。

※妊娠中の方は合谷のツボ押しは控えて下さい。

2. 足三里(あしさんり)

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足三里も「万能ツボ」とも言われ、全身の様々な不調を解消してくれるツボです。胃腸を整え、内臓系のトラブルによく効き、足の疲れの改善に即効性があります。保健強壮のツボとも言われ、免疫力アップが期待できます。指やゴルフボールなどでスネの骨を外側から押すイメージで、両足のツボを強めに押します。

3. 井穴(せいけつ)

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指先にある免疫力アップには欠かせないツボです。なお、井穴を押すことは、「爪もみ」として知られています。爪の生え際の角を、反対側の手の親指と人差し指で両側からつまんでもみます。1回2分、1日2〜3回行い、やり過ぎはかえってよくないそうです。また、薬指の井穴のツボは交感神経を刺激してしまうため、免疫力が低下することも考えられるので、この指だけは、爪もみを避けたほうが無難とされています。

免疫細胞の70%は腸に存在していると言われているため、合谷や足三里を押すことで、大腸の働きを整え、腸管免疫を活性化させる効果があるとされています。免疫を高めるには腸に良いとされるツボを刺激することが重要です。他にも神門、三陰交、天枢、大巨など、たくさんありますので、経穴図などを参考にツボ押しを試してみてはいかがでしょうか。

<参考>

『東西医学の専門医がやさしく教える 即効100ツボ』伊藤剛 著、高橋書店

爪もみ普及委員会ホームページ

投稿者プロフィール

社長

元井章智

東栄新薬株式会社代表取締役社長

株式会社ケーエーナチュラルフーズ代表取締役社長

慶應義塾大学SFC研究所所員、東京薬科大学薬学部免疫学教室専攻
日本抗加齢医学会会員、NR(栄養情報担当者)・サプリメントアドバイザー