がん患者の体重管理の重要性

2016年2月25日

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執筆:元井章智

アメリカのがん統合医療に関する協会

統合腫瘍協会国際会議(SIO)で

【肥満体形のがん患者の体重管理の重要性】

に関する講演がありましたので、その内容をご紹介します

肥満体形のがん患者の体重管理に対する心理的サポートの重要性

Eric Garland(エリック ガーランド)博士

ユタ大学

2015年11月14~16日

第13回統合腫瘍学会国際会議(SIO)(ボストン)

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(講演の様子)

肥満とがんの関係

アメリカのがんによる死亡の3分の1は、過体重、栄養不足、運動不足によると考えられる。

過体重の改善と、栄養状態、身体能力の改善はがんの再発予防に対して、有効である可能性がある。

運動療法と栄養指導、さらに食事に対する意識づけや心理的ケア行うことが、再発予防に対しても効果を高めるかもしれない

心理的なケアの重要性を検討

がんサバイバーに運動療法と栄養指導のみ、

もしくは運動療法と栄養指導に併せて心理的なケアを行い結果を検討

運動療法

患者個々に併せて運動プログラムを作成し実施

栄養指導

特定のがんに対するバランスのとれた栄養指導、体重管理、食欲の改善、骨の健康に対する栄養指導

心理的サポート

週に1.5時間のグループセッションなど

結果

○運動療法に栄養指導のみよりも、さらに心理的サポートを行った方がより体重やBMIが低下した

○心理的サポートを行った方がストレスを感じにくく、健康状態も良かった

結論

○肥満を伴うがん患者に対して、運動療法、栄養指導に

心理的サポートを加えることでさらに体重低下を促進した

○運動療法、栄養指導に心理的サポートを加えることで、

体重減少に対する意識づけが強くなり、がんサバイバーの健康状態を改善しているのかもしれない。

講演を聞いて

冒頭にあった、以下のメッセージが印象的でした

【アメリカのがんによる死亡の3分の1は、過体重、栄養不足、運動不足によると考えられる。】

(*栄養不足はファストフードなど偏った食事によって

カロリー摂取量は足りている反面、

ビタミン、ミネラルなどの栄養素が不足していうことを表していると思います)

日本では

がんの発生因子として【親からの遺伝】、【喫煙】、【塩分の多い食事】などが考えられていますが

アメリカでは

【過体重】、【栄養不足】、【運動不足】などライフスタイルもがんの発生因子として考えられています

そして、アメリカでは食生活の乱れから肥満が大きな問題となっており

日本の肥満とはレベルが違うことは、毎回アメリカに行った時に実感します

実際に10年近く前、私がアメリカにホームステイしてた時の話ですが

そのホストファミリーの夕飯は

月、ドミノピザ

火、自宅でハンバーガー

水、タコベル(タコスなどのデリバリー)

木、自宅でメキシコの豆料理

金、ハンバーガー(デリバリー)

といった具合で、ファストフードの利用頻度が高く

家族全員が典型的な肥満体形でした

(ホストファミリーの方々は、非常に親切でいい人たちでした)

食生活の乱れが環境的な要因となっているために

肥満を改善しようと一人で頑張っても

なかなかダイエットがうまく行かないですよね

今回の試験では

グループセッションによって意識づけを行い

心理的なサポートとして「お互いを励ましあう・支えあう」ことで

肥満改善の成果が出るといったことが確認されました

この「お互いを励ましあう・支えあう」ことは

肥満だけでなく、がんをはじめとする他の疾患の治療にも

非常に有効であると考えられ

アメリカではかなり積極的に取り組まれていることが

この学会に参加することで実感できました

最近では、日本国内でも患者会をはじめ

インターネットによるSNSも普及してきています

医師、病院以外からも情報入手し

お互いに情報交換できる場として

今後もますます普及していくことが望まれます。

投稿者プロフィール

社長

元井章智

東栄新薬株式会社代表取締役社長

株式会社ケーエーナチュラルフーズ代表取締役社長

慶應義塾大学SFC研究所所員、東京薬科大学薬学部免疫学教室専攻
日本抗加齢医学会会員、NR(栄養情報担当者)・サプリメントアドバイザー