統合医療に対する日本とアメリカの温度差

2016年3月7日

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昨年(2015年)11月14~16日に参加した

第13回統合腫瘍学会国際会議(SIO)(ボストン)で感じた

【統合医療に対する日本とアメリカの温度差】

についてご紹介いたします

【統合医療に対する日本とのアメリカの温度差の違い】

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がん治療に関して、日本の医療機関では保険診療の関係もあり、3大療法(手術、抗がん剤、放射線療法)がメインで行われ、がんそのものに注目して治療が行われています

それに対し、アメリカではがんそのものだけではなく、患者さんの体、気持ち、精神、家族、社会、環境といったことにも注目する必要があると考えられています。

特にがん患者さんの環境(栄養、運動、ストレス管理を含むメンタル面のケア、睡眠、24時間の生活リズム、楽しみや笑い、人間関係、存在意義や理念)を重要視し、病気と闘うがん患者さんの環境を整えるための統合医療が、全米の主要な治療施設で導入されています。

統合医療を取り入れている医療機関

メモリアル スローンケタリングがんセンターをはじめ、

MDアンダーソン病院、コロンビア大学、エール大学、メイヨークリニック、ハーバードメディカルスクール、スタンフォード大学、、、

本当に名だたる医療機関で統合医療が取り入れられています

アメリカで取り入れられている具体的な統合医療の治療内容

アメリカでは効くと考えられるものは、西洋医療でも東洋医療でも積極的に取り入れ患者さんの総合的なケアに活かされています

医師によるコンサルテーション

○患者さんの心理的、社会的、文化的環境から

患者さんの健康状態を把握して包括的な健康管理プランを提案

○ハーブやサプリメントの提案

○患者さんが積極的に自己管理や回復に努めるよう励ます

栄養指導

○健康維持や病気予防のための健康的な食生活

○治療中の体重管理

○がん悪液質の場合の体重減少対策

○肥満のがんサバイバーの減量

精神・身体療法(Mind-Body Therapy)

瞑想、催眠、心理療法、呼吸法、気功、ヨガ

対象:不安、ストレス・苦悩、睡眠、うつ、痛み、全般的なQOL(生活の質)の低下

対象:痛み、吐き気・嘔吐(抗がん剤の副作用)、口の乾燥、ホットフラッシュ

不安、不眠症、リンパ性の浮腫、疲労感、神経障害

マッサージ

スウェーデン マッサージ、足裏マッサージ(リフレクソロジー)、

リンパドレナージ、筋膜リリース(Myofascial release)、

指圧、按摩(あんま)、霊気、アーユルヴェーダ マッサージ

音楽療法

参加型か受入れ型

癒しと楽しみを与える、恐怖を取り去る、リラックス

自己表現力を高める、孤独や孤立感を減らす

運動、身体活動

毎日30分間の適度なエアロビック エクササイズ

開胸手術や乳房切除術後のリハビリテーション

まとめ:日本とアメリカの統合医療に対する考え方の違い

日本では、西洋医学に対する信頼度がかなり高いのに対して、東洋医学に関してはそれほどでもないかと思います。

一方、アメリカでは効くと考えられるものは、西洋医療でも東洋医療でも積極的に取り入れ患者さんの総合的なケアに活かされています

がんに対する考え方の違い

日本ではがんの発生因子として【親からの遺伝】、【喫煙】、【食習慣(塩分の多い食事)】などが考えられていますが、アメリカでは【過体重】、【栄養不足】、【運動不足】など生活習慣もがんの発生因子として考えられているため、生活習慣の改善も視野に入れている統合医療が普及する要因であると考えられます。

日本では混合診療の問題(通常の保険診療でも、保険適応外の治療を行うと保険適応がされなくなるなど)もあり、本当にごく一部のクリニックでしか統合医療は取り入れられていません。日本でもがん治療のみでなく、患者さんやその家族を包括的に支援する統合医療の普及が望まれます。

がん治療に関する情報を探している方のお役に立ちたいと思いますので、今後も積極的に国際学会に参加して、そこで得た情報を発信していきたいと思います

株式会社ケーエーナチュラルフーズ

元井章智